【大峰】滝川・大谷〜石仏山

記  吉岡
タイトル シャワーを浴びての滝場の直登と、人擦れのない静かな山を楽しむ
メンバー 吉岡・榎・柳内・上仲 他2名  (ブナの木、渓游会合同山行)
日程 2008年7月8日N〜7月9日(水) 天気 曇り時々腫れ
場所 大峰・滝川 大谷遡行〜石佛山 地形図 風屋
歩行時間 4時間13分 遡行図 有り
コース
タイム
大谷橋(6:37)→入谷開始(6:57)→左岸からの2段15m滝を懸けた枝谷(7:01)→480m地点の左岸からの枝谷出合(7:30〜7:45)→6mの滝(8:05)→朽ちた植林小屋(9:02〜9:23)→860m地点の二俣(9:30)→稜線に出る(10:19〜10:23)→石佛山(10:27〜11:10)→999m独漂(11:23)→独漂721m(10:46〜11:53)→大谷橋へ下山(12:20)
アプローチ 国道168号を五条から十津川方面へと南下し、風屋の先で滝川線に入って大谷橋まで、尺土駅から約87km、約2時間。
装備 一般沢装備、初心者がいる場合はザイル30m、一本はあった方がよい。
メモ 滝川に入った内原のトンネル手前にはトイレのある広場があり、幕営には適地。トイレは水洗できれい。照明もつく。

滝川南岸の石佛山(1158m)に源を発する大谷は、標高差828mばかりの短い谷で、しかも入り口付近は植林されていて、一見触手が動かないが、中程から上流は自然林に覆われ、5m前後の滝が数多く懸かり、ゴルジュもあって楽しい沢登りを堪能させてくれる。しかも登り詰めた石佛山は、人擦れのない静かな山として玄人好みにはうってつけであろう。
 今回の、この大谷遡行は、ブナの木の年に一度の例会担当として計画したものであったが、ブナの木からは、O島さんの参加があったのみで、渓游会の仲間4人と上仲さんの友達を加えた計6名と相成る。
 前夜、マイカーで国道168号を五条から十津川方面へと南下し、滝川線に入って内原の公衆トイレのある広場でテントを張り、ささやかな宴のあと就寝。

明けて9日、5時半には起きて、大谷出合へと向かい、6時37分出発。大谷出合から左岸の林道を辿る。ワサドチ谷の流れを渡ると山道は右岸に転じ、5mの滝が釜に落ちる。道は滝の上でまた、左岸に渡りナメ状の小滝を見て進むと、道は再度右岸へと転じ、斜瀑4×8mの上で左岸に転じ斜面に登りだすので、そこから道を離れ、遡行を開始する。すぐに懸かるナメ滝L6mを越え2段6m滝は右岸を小さく巻き、上流に続く小滝を越していく。廊下状の谷は、この先でゴルジュとなり、右手から2段15mの滝を懸けた枝谷入る。本谷には4mの滝、上には12mの滝(写真@)が白く布を垂らす。ここは右手から巻き登って、ナメ滝L7mに抜ける。
上流にはさらに3m前後の小滝が連続して懸かり、その殆どがフリーで直登できる。中にはシャワーを浴びて直登する場面もあるが、水はそう冷たくない。小滝に続くトユ状ナメ2段L9mを突っ張りでこなすと、2段5mの滝と、苔むした倒木が前面にある4mの滝(写真A)とが出てくるが、左から右手と絡んで登ると、左岸から数段の滝を懸けた枝谷が流入してくる。地図の480m地点で、枝谷には5m、6mと二つの滝が連続して懸かり上方には20mはあるかと思われる滝が眺められる。左の本谷はゴルジュ状となり、3mの滝二つと、その上に腰を打って懸かる多段10×20mがあるが、シャワーを浴びて快適に越えて行ける。その上にも滝がひっきりなしに現れて、その応接に息つく暇がない。三段20mの滝(写真B)を登ると、次に2mの滝があってその上に6mの滝が懸かる。この滝も直登出来るが、よく滑るので注意したい。

@樹林越しに12mの滝が現れる

A苔むした倒木と4mの滝は直登して

B三段20mの滝は水際を直登

これで核心部は終わるが、2mから3m前後の滝場はさらに続き右に左にとこなして遡上を続けると左岸からの枝谷を迎え、谷は上流域へと入るが、尚も小滝や岩間に懸かる滝があって、遡行する者を退屈させない。トユ状三段小滝を過ぎると左岸から小さい枝谷が入り、そこから数分も行くと左岸の台地に朽ちかけた植林小屋が目に止まる
周辺の左岸一帯は杉の植林(40年生くらい)が育っているが、ほとんど手入れがされていない。
 ここで高度計は795mをさしており、山頂まではあと360mの高度差だ。谷は伏流となり苔むした岩が目立つ中を進むと地図の二俣に着く。860m地点で、ここでは右の谷を取り傾斜の強まる中を上昇を続け、最後のツメでは右の斜面に入り、ヤブのないすっきりした樹林帯を登って稜線にでる。稜線からは北にわずか辿れば石佛山の山頂であった。山頂は樹林に覆われ期待する展望はないが、人ずれのない静かな山頂で、腰を降ろして憩うにはよく、のんびりとランチタイムを楽しんだ。

石佛山山頂にて記念のショット
下山は、北峰から北西に派生する尾根を999m独漂に向けて小道を下る。999m独漂で尾根は二方に分かれ、踏み跡は地図に破線記号のある北に(右)の尾根に続いて、独漂744 mを過ぎた、尾根が枝分かれするところで、左に折れ、滝谷橋のたもとに下っているが、今回は、999m独漂から北西に派生する尾根を取って下ることにした。尾根は踏み跡もさだかでないが、大谷橋のたもとへは、999m独漂から1時間弱で下ってくる。