朝5時には目を覚まし、テント場を6時15分には後にする。いよいよ核心部の大滝との接見が待っている。すぐに出てくる斜瀑5mは左から小さく巻き、右岸からの小さい枝谷を見送ると、谷相は一変して荒々しくなり、前衛に8mの斜瀑(写真A)を懸ける。ここはシャワーを浴びての直登を選ぶが、雨具を着用しても朝一番のもろにシャワーを浴びての登攀は堪える。この滝の登攀と全員が突破するのに1時間を費やす。
次にナメ滝5mと3m滝を越えると眼前に18mの滝が美しく懸かり、上流にはさらに7mの滝があって、左岸から巻き上がり、大滝の前面に降り立つ。見上げる大滝は60m(写真B)の落差を誇り、頭上から追い被さるように荒々しく峭立する絶壁から瀑水を落下させる様は実に壮観だ。これが地
図に記載のあるゴルジュ帯で、上流にも幾つかの連瀑を秘める。さてここの突破だが、左岸のガリーに入り高巻きにかかる。岩場の弱点を縫って続く獣道を拾ってバンド帯をトラバースし、左岸に入る支谷に懸かる2段目の滝の頭にケンスイで下り、上段の滝を登って滝の落ち口で横切り細いバンド状をトラバース。
足下には8mの滝が長淵を従えて懸かり、泳ぎを嫌ってそのままトラバースしてケンスイ20mで下り谷筋に降りた。次にナメ滝3mさらにS字状の斜瀑7×15mと続くが、ここは右手をトラバース気味に登って滝の頭に出る。左岸にはローソク岩が立っている。
上流は廊下で、谷は左に折れてCS7mの滝が懸かる。ここは滝の左手を空身で直登するが、岩肌がヌメっていて嫌らしくハーケンを2枚打って突破した。次ぎは右からの12mの滝、ここは直登するすべもなく右岸のガリーから巻き、CSで詰まったところから右にトラバースしてケンスイ18mで谷床に降り立つ。この滝を最後に難場は終わり上流はきれいなナメ床がしばらく続き、右から一の谷、少し離れて二の谷を迎える。 |
斜瀑8mはシャワーを浴びて直登A
核心部の60m大滝に圧倒されるB
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