【大峰】洞川温泉〜稲村ヶ岳

記  吉岡
タイトル 本格的な冬山を体験出来る山として人気がある関西の名山へ
メンバー L柳内、吉岡、丸尾、宇川、西川、(上村)、他4名
日程 2009年1月3日(土) 天気  
場所 大峰・洞川温泉〜稲村ヶ岳 地形図 洞川、弥山
歩行時間 5時間25分 遡行図  
コース
タイム
母公堂(9:25)→法力峠(10:23〜10:36)→稲村小屋・昼食(12:13〜12:55)→大日山の鞍部(13:30)→大日山の東面基部の途中で引き返す(14:00)→稲村小屋(14:15)→休憩(14:40〜14:50)→母公堂へ下山(15:55)
アプローチ  
装備  
メモ アドバイス : 積雪期の稲村ケ岳は2月から3月初旬に最も積雪が多く、高崎横手付近と大日山東面は慎重な行動が求められる。稲村小屋は正月は営業しているが、ほかは事前の予約が必要。日帰りで稲村ケ岳に登る場合は、早朝出発とし、午後2時には下山にかかる様にしたい。

正月の3日、クラブの仲間と、冬の稲村ケ岳に日帰りで出かけてみた。…でも結果は、朝の出発が遅く途中で時間切れとなり、引き返す羽目となった。この時期の稲村ケ岳は積雪も豊富で、本格的な冬山が体験出来る山として、関西では山上ケ岳と並んで人気がある。雪をまとった稲村ケ岳が最も美しく見えるのは、岩本谷から眺める姿だ。
アプローチは洞川の温泉街をはずれた先、母公堂からスギ林の中を登る。五代松鍾乳洞からの道を合し、蛇谷を横切り展望のない山腹を絡んでの道が続き、やがて法力峠に達する。南西へ観音峰への道が分岐する。峠からは白倉谷を眼下に夏道を伝って行く。
洞川から五代松鍾乳洞を経て、法力峠から稲村ケ岳へ通じる登山道は、赤井五代松・邦正親子が昭和5年から12年まで7年の歳月をかけ、完成させた道である。それまで、稲村ケ岳は簡単に登れる山ではなく、大峰に精通した一部の登山家と行者が訪れる以外、あまり登られていなかった。今日ではこの「五代松新道」のおかげで、女性登山者に人気のある山となった。

白倉谷を眼下に山腹を絡んでの登行が続
登るに従い雪も深くなってくるが、正月とあって道はよく踏まれている。樹氷が美しさを増して、左から沢が入る。年中涸れないという水場だが、冬季は雪に埋もれている。
ドアミに達し、石地蔵を見送るところまで来ると、天を突く大日山の岩峰がはじめて顔を覗かせるが、今回はガスが垂れ込め視界が得られない。ここから先、山上辻までは谷をわたる箇所が多くなり鉄橋が随所にあって、谷へ雪の斜面が切れ落ちていて気が抜けない。高崎横手を絡み終えると稲村小屋の建つ山上辻に着く。正月の時期、小屋は営業しており、「どうぞ中に入って休憩してください…」と言って、寒さに震える我々を招き入れてくれる。冬の時期や悪天候の折の山小屋の存在の有りがたみがつくづく身ににしみて感じる。

山上辻に建つ稲村小屋、冬季には有難い存在だ
ストーブのある小屋で元気を貰った我々は、昼食の後、稲村ケ岳へとアタックをかける。ブナを主体とした中をトレースに従うが、積雪量が急に深くなり、大日の東面を絡む地点で、 トレースは無くなる。年末、年始には多くの登山者が登っているが、その殆どがこの辺りで引き返しているようだ。朝の出発が遅かったので、時間に追われながらも2時まで行動しよう!ということで、腰までのラッセルをして30分余り奮闘するが、時計が2時を指したところで行動を打ち切り、下山の途に着いた。
あと出発が2時間早ければ、山頂に立てていたかも? 時間切れで今回は稲村ケ岳の山頂には立てなかったものの、仲間の顔は本格的な雪山を体験した喜びでいっぱいであった。おまけに下山した母公堂では暖かい「ぜんざい」の振る舞いを受けて、洞川温泉・花谷徳兵衛の後鬼ノ湯にどっぷりと浸かり、満ち足りた気分で帰途に着いた正月山行であった。

大日山東面の深雪をラッセルをして

大日山の東面基部のラッセル



山上ケ岳からの稲村ケ岳と特異な岩峰の大日山