【台高】小橡川・又剣谷

記 吉岡 章
タイトル
メンバー L大坪、吉岡、丸尾、榎、梶原、上仲、竹歳、京極、(川崎)
日程 2012年9月29日(土) 天気
場所 【台高】小橡川・又剣谷 地形図 河合
歩行時間 遡行時間:5時間55分 遡行図 有り
コース
タイム
入渓(8:00)→逆くの字形斜滝5m(8:34)→ナメ滝2段4×10m・休憩(9:30〜9:50)→2つめのゴルジュ入口(10:00)→2段15mの滝(10:25)→40mの滝直下(11:00〜11:40)→40mの滝上・遡行打ち切る(11:50)→リッジ上の尾根(12:10)→右岸尾根(13:00〜13:20)→4等三角点(14:40)→又剣谷出合へ下山(15:15)
アプローチ
装備
メモ ゴルジュに懸かる滝を登攀する場合はザイル9×40mが必要。
下山は左岸尾根を辿ってもよい。こちらの方が標高差が少なく多少楽である。


今回の例会は、池郷川 冬小屋谷を計画していたが、台風17号の接近で山行2日目の30日は大雨になると判断して、上仲さんの提案で小橡川 又剣谷へ日帰りで行くことになった。
又剣谷は僕にとっても想い出に残る谷の一つで、初めての入渓は1986年9月24日。上仲さんのお父さんとの沢行であった。この時は下山に手間取り、麓で待っている田中春子さんに心配をかけたことを思い出す。
2回目の入渓は13年後の1999年8月25日で、渓游会の例会山行で松崎、河野さんたちと入渓している。そして今回が3回目の入渓だ。
又剣谷は風折川の右岸に入る谷で標高差670m(水平距離3.2km)の谷で、地元河合では「またつる谷」と呼び、険しい谷という意味合い。その名の通り40mの大滝を筆頭に数多くの滝を有し、結構楽しめる谷で、『 関西起点 沢登りルート100 』にも紹介している。
前夜、道の駅・杉の湯 川上で合流の後、下北山村まで向かい小宴とした。山行の楽しみのひとつに山仲間との酒を交わしながらの沢談義がある。皆で持ち寄った手料理や、この日は吉岡農園で採れたニラを使ったチジミと焼きなす、焼き芋などに舌つづみを打ち楽しい宴の時を過ごす。これが楽しいと例会の半分を消化したことになり??、今回のリーダー大坪さんの肩の荷も軽くなるというもの・・・。

明けて29日、上北山村河合まで戻り、又剣谷出合の林道脇に駐車。本流を対岸に渡り、堰堤上の河原から入渓する。数個のナメ滝を快適にこなして行くと岩の積み重なる4mの滝が懸かり、ここは右岸から小さく巻いて通過。
続いてナメ滝L8m(写真@)が岩肌に水流を走らせている。滝滑りにはちょうどいいいくらいの傾斜で快適にフリクションを利かせて直登して行ける。
続いてトユ状の流れが20 m程あって、最初のゴルジュに入る。逆くの字形斜滝5mは右岸から小さく巻いて通過する。
ゴルジュはS字にカーブし、くの字形斜滝7mを懸けその奥に25mの滝(写真A)が飛沫を上げる。ここは左側から直登できるが、乗り越し部分が悪く初心者が居る場合はザイルを出して安全を期したい。
ゴルジュを抜けると右岸高身に旧杣道があり石垣が見られる。このあたりは植林が入っている。

@ ナメ滝L8mを快適にこなして行く
ナメ状の流れを過ぎナメ滝を幾つかこなして、トユ状ナメ滝を過ぎると、谷はしばらく平凡な流れが続き右岸から小さい枝谷を2本迎える。
次にナメ滝2段4×10mが懸かるが、ここは左手から楽にこなして行ける。この滝を越えたところで、腰を降ろしてコーヒタイムとする
左岸から3段の滝となって出合う枝谷を見てナメ滝を3つばかり越えて行くと、2番目のゴルジュ帯に入る。滝は小さいがよくまとまっていて美しい景観だ。ゴルジュ最後は斜滝5×13m(写真B)で、これもフリクションを利かせて快適に越えて行けるのが楽しい。
谷はこの先、右に大きくカーブして右岸から滝を懸けた枝谷が入り、ナメ滝L7mを右からこなすと左に曲り返し、2条2mの滝を越えると3番目のゴルジュを迎える。左岸に入るルンゼは70mくらいのーが立ち。本谷の奥まったところに2段15mの滝(写真C)が懸かっている。せっかく登攀具を持ってきたのだから、一つくいらいはハーケンを打って登攀しよう!ということで、川崎君 のリードで右岸をへつり滝身に取り付く。先ずビレイ用に1本打ち足し側壁をリードして行くと残置ハーケンがあるとの事。以前に登った時の物だろうか?。そのハーケンを支点に少し下がり、滝身をシャワーを浴びて越えて落ち口に立つ。セカンドに吉岡が続き滝頭に出て後続に合図を送る。登りがいのある滝で結構楽しめた。全員が登り切るのに30分ほど要する。
 

A 25mの滝は直登

B 斜滝5×13mは左側を直登

C 2段15mの滝をリードする川崎君
滝上には続いてナメ滝が2本あって、その上に40mの滝(写真D)が立ち塞がる。下からでは上部が見えず25mくらいの感じだが、見栄えのする美しい滝である。この滝の直登は無理で、左岸から高巻く事にした。高巻きの途中からは上部に続く滝の様子が眺められる。案外たやすく巻き上がり滝頭に立つ。滝場はまだしばらく続くが、先ほどから雲行きが怪しくなり雨が落ち出しそうで、ここで遡行を打ち切り下山することにした。さて、下山ルートだが、右岸尾根と左岸尾根のいずれかだが、大坪リーダーの判断??で右岸尾根を取る事にして斜面に取り付きブッシュを分けると、支尾根に飛び出す。 
ここからは、尾根を忠実に西に取るが、ブッシュがひどく難渋する。杉・桧の植林帯に入ると千草モノレールが出てくるが、次のピークで右の山腹に巻いていて、ここでは尾根を忠実に辿ってしばらく下ると、標高600m付近で4等三角点の標石が埋まるピークがあり、ここから尾根を外れて、南にブッシュの中を25分も駆け下ると又剣谷の出合いへと降り立った。読図はバッチリであった。日頃佐々木さんに鍛えられているわんこちゃんは、急斜の下りにもかかわらず最後まで遅れずに着いて来た。
下山後は、上北山温泉・薬師の湯にどっぷりと浸かり山の疲れを癒して帰途に着いた。


Dこの谷最大の40mの滝の下段

40mの滝の上段、高巻き途中に見る

                                                  (写真と文=吉岡 章)